第19章 冬、そして春
ケーキを食べた後は、祐樹の部屋でのんびりする。
彼が私の肩を抱いて、髪を撫でてくれる。
私は彼の肩に頭を乗せてうっとりする。
「大人になったらイブからクリスマスになる瞬間も一緒にすごせるね」
「ふふ…祐樹、そんなロマンティックなこと言うんだ」
「え…俺、なんかロマンティックなこと言った?」
「あぁ…ロマンティックじゃない意味だったんだ…」
「一緒に夜寝て、朝起きてみたい」
「やっぱ結構ロマンティック…」
私は彼の胸に顔をうずめて、ぎゅっと抱きつく。
「ふふ…そういうのでいいんだ」
彼は私の頬を持ち上げ、唇にチュッてキスする。
「うーん。なんでもいいのかも」
私は彼の顔を見てちょっと笑う。
彼もちょっと笑う。
「さやかちゃん可愛い」
そう言って今度は、チューってキスする。
「大人になっても祐樹、わたしのこと可愛いって言ってくれる?」
「言うよ。可愛いかったらね」
「えー」
「たぶん可愛いよ」
そう言って彼は、私の頭をなでなでする。
私はもう一度ぎゅっと抱きつく。