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進学校の落ちこぼれ女子

第15章 夏休み


「斉藤くんは志望校もう決まってるの?」

私は聞いてみた。

「あぁ一応。地元の国立目指してるよ」

「そうなんだ、はぁ…」

斉藤くんの答えに私はため息をつく。

祐樹も地元の国立に行ってくれたらなぁ…。

「どうしたんだよ。ため息ついて。須藤でもどっか行ける大学はあるだろ?」

私の様子を見た斉藤くんが言う。

地元にはあるだろう。

東京にだってあるかもしれない。

でも親が下宿を納得してくれるレベルで私が入れる大学はない…。

「山本くんと同じ大学行きたい…」

私は無意識でつぶやく。

「無理だろ」

斉藤くんが驚いて即答する。

ガラッ

保健室の扉が開く音。

先生かな?

「先生! さやかちゃ…須藤さん来てますか?」

あ…祐樹の声?

そういえば、今日は祐樹も生徒会の用事で学校来るって言ってたかな…。

斉藤くんが立ち上がってパーテーションの向こうを覗く。

「山本? 須藤、こっちにいるよ」

斉藤くんが声をかける。

「あ…さやかちゃんを連れてきてくれたみたいで…ありがとう」

祐樹が答える。

「どういたしまして。それじゃ」

斉藤くんが私と祐樹に笑顔で挨拶して去っていく。

「爽やかだなぁ」

祐樹が感心する。

「だねぇ」

私も同意する。
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