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進学校の落ちこぼれ女子

第15章 夏休み


昨日はあまり眠れなかった。

まだ先の話で考えすぎなのはわかってるけど…

どうしてもぐるぐるしちゃって…。

部活で校庭をランニング中の今も、ぐるぐるしてる。

「さやか、なんか顔色悪いよ。ちょっと休んだら?」

リナに声をかけられる。

「あぁ…昨日寝るの遅くて。そうだね。ちょっと休むね」

ランニングの列から離れて水を飲みに行こうとしたとき…

……。

あれ? なんか足動かない…?

あれ…?

……

気がついたら保健室のベッドで寝てた。

「大丈夫か? 須藤」

…斉藤くんに声をかけられる。

「うん…」

とりあえず頷く。

なんで斉藤くんがいるんだろう。

「これ。目が覚めたら飲ませてやれって、先生が。起きれるか?」

斉藤くんがスポーツドリンクを差し出す。

私はベッドの上でゆっくり起き上がる。

多少、頭と身体が重いけど大丈夫。

「ありがとう」

私はスポーツドリンクを受け取って飲む。

はぁ〜美味しい。

「大丈夫そうだな。軽い熱中症だろって先生も言ってたよ。
おまえちゃんと飯食ってんのか? やたら軽かったぞ」

斉藤くんが安心したような顔をして言う。

「もしかして…斉藤くんが抱えて連れて来てくれたの?」

「うん。よいしょって」

斉藤くんがお姫様抱っこっぽいポーズを実演する。

うわ…また一年生におもしろ噂話を提供してしまった…。

「迷惑かけてごめんね…。ありがとう。わたし昨日あまり寝てなくて」

私は恥ずかしいのを紛らわすためにちょっとヘラヘラする。

「何してたんだよ。勉強か?」

「まあ…そうなんだけど…いろいろ…」

勉強しながら頭ぐるぐるしてたんで。

「そんな急に頭良くならないんだから無理すんなよ」

斉藤くんが言う。

ですよね。
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