第2章 また明日
「でも…いいのかな…さやかちゃんみたいな可愛い子が俺の彼女…いいの?」
彼が私の顔を覗き込む。
「え? 可愛い? そんなことないよ…」
私は恥ずかしくなる。
そんな私の顔を見て彼がニッコリ笑う。
「可愛いよ? はるなちゃんにも似てるし」
「はるなちゃんに似てる? そんなこと初めて言われた」
私は首を傾げる。彼がニコニコして答える。
「あぁ…顔はそれほど似てないか。でも脚の形がそっくりだよ。超キレイ」
「……」
嬉しいようなキモいような…。
「あ! はるなちゃんに似てるから好きなんじゃないよ!
最初はそれで気になり始めたけど…仲良くなってからは断然さやかちゃんの方が可愛いし好きだよ」
黙ってる私の様子を見て彼が言う。
引っかかってたのはそこじゃないけど…まあいいか。
「山本くんの方がいけてるよ? 頭いいし、優しいし、話も面白いし…」
私はずっと思ってたことを言う。
「マジで? さやかちゃんにそんなこと言われたら超嬉しい!」
彼が私を軽く抱き寄せる。
どうしよう。ドキドキする…。
「うわ…さやかちゃん超いい匂いする…。しかも…柔らかい…」
山本くんが耳元でつぶやく。
そんなこと言われても返答に困る…。
彼が私の髪をそっと撫でる。
恥ずかしい! 恥ずかしい! 恥ずかしい!
彼の手が私の頬に添えられる。
「さやかちゃん…顔上げて?」
これは…昨日したあれかな…。
私は覚悟を決めて顔を上げる。
彼の唇が私の唇に重なる。ゆっくり。
目を閉じると、思ったより柔らかい彼の唇の感触が伝わってくる。
昨日は何が何だかよくわからなかったけど…。
そっと唇が離れる。
昨日のがファーストキスで、今日は2回目…。