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進学校の落ちこぼれ女子

第2章 また明日


いつものように、彼に宿題を半分写させてもらいながら教えてもらう。

一段落したとき、

「なんかジュースあったら持ってくる。待ってて」

「ありがとう」

彼が飲み物を探しに下に降りていった。

私はなんとなくもう一度部屋を見渡す。

本棚にはやっぱりアイドル雑誌とか写真集が並んでる一画がある。

後はマンガと、マンガみたいなタイトルのマンガより小さいサイズの本が結構いっぱい。

参考書とか辞書はあるけど、その他には難しそうな本はあんまりないみたい。

彼がペットボトルを持って戻ってくる。

「カルピスウォーター好き?」

「うん、好き」

「半分こしよ」

「うん」

彼がペットボトルのキャップを開けて一口飲んで私に渡してくれる。

え? 間接キス? あ、昨日本当にキスしたか…。

私はまた急に恥ずかしくなる。

そしてあまり意識しないように考えながら、カルピスウォーターを飲む。

「これってマンガ?」

私は自分の気をそらすために、本棚を指差して彼に話しかける。

「あぁ、この辺? ラノベ。ライトノベルっていうマンガみたいに読める小説」

「へー。山本くんってもっと難しい本読んでるのかと思った。夏目漱石とか」

彼が私の言葉を聞いてちょっと吹き出す。バカっぽかったかな…。

「まあ、読むけどね。受験の為に。あんなの特に面白くもないし、図書館でいつでも借りれるし。
さやかちゃんはどういう本が好き?」

「うーん。わたしは本っていうかマンガが好き。ハリーポッターは超好きだけど」

「え? マジで? ハリポタ俺も超好き!」

彼がちょっと興奮気味に話す。わたし的にはまたまた意外な発見。

「そうなの? ふふ、でもわたしの方が絶対詳しいよ。マニアだもん」

私はちょっと胸を張って答える。これに関しては自信ある。

「あぁ〜そうなんだ…。早く知ってれば、もっと早く仲良くなれたかもなぁ…」

彼の言葉に私はちょっとドキッとする。

もっと前から仲良くなりたいって思ってくれてたの? って聞きたい。

「まあいいか。もう彼女になってくれたんだから」

彼が私の方を見てにっこり微笑む。

私は頷く。私、ちょっと顔が赤くなってるかも。恥ずかしいな…。
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