第6章 修行開始と旅。
イタチは鬼鮫とペインに与えられた任務に就いていた。
「・・・・イタチさん、どうしますか」
「俺は別にいい。好きにしろ」
今日の任務は賞金首を狩ることで、鬼鮫はそれが楽しいらしい。
まあ、本人は「鮫肌が楽しんでるんですよ」と言っているがあれは絶対自分も楽しんでる。
今の会話も、全部鬼鮫に任せるということで、あくまでイタチは援護というもので、しかしイタチが援護することはあまりない。
(・・・ハル、サスケ・・・元気にしているだろうか)
「・・・ん?イタチさん、前から何か来ますね」
「おい、一旦止まるぞ」
森の中を移動していたが、何かが近づいてきていることに気づき止まる。
「・・・・鳥?」
「フクロウですか?何でこんなところに?」
見ると、こちらへ向かってきていたのはフクロウだった。
口に何か紙のようなものを加えており、イタチの前に止まるとパッと紙を離した。
「・・・何ですか、それ」
「・・・さあ」
広げてみると、見覚えのある字。
「なになに・・・“ちょっと行ってきます”・・・?イタチさん、これ意味わかります?」
「・・・・・・」
「・・・イタチさん?」
この字の持ち主は。
(・・・ハル?)
「・・・まあ、いい。行くぞ」
「ったく、イタチさん待ってくださいよ」
心辺りがあるとすれば、妹だけだ。
だけど、その意図が分からない。
(ハル)
本当は、今すぐにでもハルのところへ行きたい。
不安でいっぱいになった心を鬼鮫に悟られないように無表情の下に隠して、紙を綺麗に折りたたみポケットの中に入れた。
(・・・終わってから探そう)
そう決めて、任務を再開した。