第6章 修行開始と旅。
スイレンと旅に出て、初日。
中々抜けない森を歩いていると、ネネの声がした。
『ハールーちゃーん。行ってきたで!』
「あ、ありがと、ネネ。ちゃんとイタチ兄さん分かった?」
『もちろん。あんまウチをナメてもらっちゃ困るで?というか、あれは誰が見ても分かるわな』
「何で?」
『だって、半魚人とイケメン、どっちを選ぶかって言われたら・・・なあ・・・?』
「・・・半魚人?」
(・・・鬼鮫・・・のことなんだろうか・・・)
『じゃ、ウチはこれで。また用があったら呼んでな』
「あ、うん。ありがとね」
またてくてく歩いていく。
スイレンは人型になるのが面倒臭いらしく、スズメの姿になって私の肩に乗っている。
「・・・スイレーン。自分で歩きなよ」
『・・・だって、疲れるもん』
「まあ、そうだけどさ。っていうか、この森いつになったら抜けれるの?結構歩いたと思うんだけど」
『・・・うーん。あともう少しみたいだよ』
「何でわかるの?」
『・・・秘密』
そんな会話をチラホラしつつ、歩いていると森を抜けて大きな道に出た。
「あ。ここどこ?」
『んー・・・ここは・・・どこなんだろうね』
「・・・分からないんだ。まあ、いいや。どっちだと思う?」
『んー、こっち』
そんなわけで、向かって右方向に歩いていくことにした。
『修行開始と旅』
“僕はね、キミの為に生まれてきたんだ”