第6章 修行開始と旅。
『それに、キミは僕の力を悪用したりしないと思うから』
「・・・・・・うん、しないけど」
『なら、問題なし!』
スイレンはニッコリ笑って『ね?』と言った。
『で、僕の力だけど・・・特に説明するものでもないかなあ。さっきみたいにキミの心を読むことも、思ったことや見たことを伝えることも出来る。でも、それはやろうと思って出来ることじゃなくて感覚的なものなんだ』
「・・・ふうん・・・」
『でも、まあ、大丈夫。僕はカミサマで、キミは人間。つまり、キミはカミサマの加護を受けているのだから』
「・・・何かよく分かんない」
『まあ、簡単に言えば運が良くなるってことかな』
さっきの真剣な表情は何処へやら。
パチコーン、とウインクをすると親指を立てて見せた。
「・・・・何となく、分かったかも。じゃあ、晩御飯の支度するから、手伝って?」
『・・・うん!!』
(私はまだ、こんな小さな身体だけど、出来ることだってあるはず)
よし、と気合いを入れてスイレンと家に入った。