第6章 修行開始と旅。
『じゃあ、見てて』
人の姿になったスイレンはそう言うと、影分身を出していきなり体術を始めた。
「えっ、ちょっ」
『見えた?』
「・・・いや、見えるわけないよ。早すぎて」
『え?』
「・・・え?」
『何で?』
「何でって、いきなり見える方が凄いと思うよ」
すると、次の言葉でスイレンは爆弾を落としてきた。
『何で?写輪眼で見たらいいじゃん』
「・・・・は?」
「いや、何言ってるの。私はまだ写輪眼は開眼してないよ」
『え?何で?キミはもう開眼してるじゃん』
「・・・・は?」
『もしかして、気付いてないの?』
「私が、いつ?」
『二年前。キミがお兄さんを庇ってあの男に刺された時。・・・もしかして、無意識?』
「・・・分かんない」
正直、二年前のあの時の刺されてからの記憶は曖昧で、自分が男と目を合わせたのも何故かはよく分かってない。
悲鳴は、聞こえた気がする。
『・・・大丈夫?』
「あ、うん。でも、出そうと思って出るものじゃないんじゃ・・・」
『・・・うーん。どうだろうね。まあいずれコントロール出来るようになるって』
「・・・うん」
驚いた。
(いつの間に・・・というか、全然覚えてないや)
何も言わない私に、スイレンは「まあ、うちは一族に生まれたんだから大丈夫だよ」と言った。
『じゃあ、気を取り直して。僕がする動きを極力真似してみて』
「うん」