第6章 修行開始と旅。
「スイレン?まだ寝てるの?」
『うーん・・・終わったの?』
「うん。イタチ兄さん帰ったよ。・・・あのね、お願いがあるんだけど」
『うん、何?』
『―――え?』
「やっぱり無理?」
『いや、別に無理って訳じゃないけど・・・僕だって伊達に何百年生きてきた訳じゃないしね』
「じゃあ・・・」
『うん、いいよ。修行してあげる』
そう、私がスイレンにお願いしたのは。
“修行したい”
ということだった。
あの男に捕まったとき、私は何も出来なかった。
結局、イタチが助けてくれたけど私が自分で何とか出来たら。
イタチにあんな顔させることもなかっただろうか。
まだ小さいから、なんて理由にしたくない。
「ありがとう」
『いや、いつか言うと思ってたからね』
「あ、そう・・・」
じゃあ、行こっか。
スイレンは人間の姿になりそう言うと、私の手を引き、外へ出た。