第6章 修行開始と旅。

「イタチ兄さんは、普段何してるの？その服着て」

「ゴフッ」

「・・・大丈夫？」





（イタチ兄さんが動揺した・・・珍しい）







「・・・何で急にそんなこと？」

「・・・いや、あの・・・前の綺麗なお姉さんとか、イタチ兄さんの彼女・・・だったり」

「しない」




小南のことを言っているのは明らかで、恋仲じゃないのを分かっているけど、「暁」について私にどう言うか気になった。





「・・・違うの？」

「お前、どこでそんな言葉覚えたんだ・・・？」





イタチはゴホン、と一つ咳払いをすると私に向き直りこう言った。





「あのな、ハル。確かに小南は美人で魅力的だけど・・」

「みりょくてき・・・」

「綺麗ってことだ。まあ、うん。違うから、そういうのじゃないから」

「ふうん」

「仕事・・・そう、組織っていうか・・・まあ、今は難しいかな。だけど、いずれ分かるときがくる」

「・・・うん」




暁は組織。


殺しもするけど。


「まあ、人数は少ない。だから、小南――あのお姉さんもその一人だ。あのお姉さんは強いんだぞ？」

「・・・へえ・・・」






まあ、子供に対する説明としては妥当・・・なんだろうな。










「・・・それより、ハルは何かしたいこと、あるか？」

「・・・え？」



急になんでそんなこと、と思ったが苦笑いのイタチを見て、話題を変えたいんだろうなと思った。




「んー・・・特にはないかな。ハルは、イタチ兄さんがいるだけで、十分だよ」




そう言うと、イタチはびっくりしたように私を見ると「俺もだ」と言い、私の頭を撫でながら笑った。










「ハル、」

「分かってるって。知らない人が来ても、開けないよ」

「・・・心配だ」

「大丈夫だって」




イタチは最後まで私のことを心配しながら帰っていった。