第5章 フクロウと主様と名前。
『おはよう。あ、えっと・・・これはね、睡蓮。綺麗でしょ?キミにあげる。貰って?』
「・・・ありがとう」
白く、きれいな花。
『睡蓮の花ことばはね、――――』
“清純な心” “甘美” “優しさ” “信頼” “純情” “信仰”
“純粋” “潔白”
『キミに、知ってほしくて。この花が僕の想いだよ』
ボソボソと昨日のような声ではなく、自信なさげに目線を下にやる。
すると、チラと私の眼を見た。
『どうか、受け取って』
「・・・・・うん。ありがとう」
私がその花を持つと、カミサマはホッとしたように脱力した。
『・・・主様』
『何』
『・・・・・・・・・・・クサいわ!!セリフもうちょっとマシなの無かったん!?ウチもう鳥肌が・・・あ、鳥だった』
『ネネ・・・僕、結構緊張したんだけど・・・』
『そりゃあ、あんなクサいセリフ言ったら緊張しますわ』
「あ、」
『・・・どうしたの?』
手に花を持ったまま、ポツリとつぶやいた。
「名前、決めたよ」