第5章 フクロウと主様と名前。

『あのさあ・・・』



「ん？」







『僕、キミのケガ治したんだけど。見てみ？』










「え？そんなはず・・・」


恐る恐る包帯をとってみる。







（・・・そんな、）











包帯の下には、アザがなかった。


慌てて身体中の包帯をとってみる。


傷１つない。










「どういうこと・・・？」

『これで少しは信じてもらえた？僕は、対象者の身体に触れていることで、傷を治すことが出来る。それが例え、致命傷であっても、ね』

「・・・・」






そこで、私に向き直り近づいてきた。






『うん、だから僕はキミのケガを二度も治したんだよ』

「うん？」

『だから、僕はキミの命の恩人と言ってもいい。そうでしょ？』





後ろでフクロウが『強引じゃない？』と言ったが『いいの』と間髪入れずに言われ、口をつぐんでいた。







『だから、見返りを貰ってもいいと思うんだよね』











「えっと・・・？」










『だから、キミの血を頂戴？』