第5章 フクロウと主様と名前。
「ん?」と視線をネコに向けると、ネコはくあ、とあくびをした。
『あ、まずは自己紹介しとこっかあ。僕はね、多分”カミサマ”に近い存在・・・』
「カミサマ・・・?」
『うん。いきなりこんなこと言われても、って思うかもしれないけど本当なんだ。あ、性別は・・・ないかな。だってカミサマだし。普段は一応、オスの性をとってるかな』
「・・・そんなの」
『――――そんなのありえないって?』
まあ、信じろっていう方が無理な話だよね。
そう言って、ネコは私の膝から降りベッドに座った。
『この世にキミと僕が存在している限り、”ありえない”ことなんてもうないんだよ。キミと僕はイレギュラーな存在だ。キミだってそんなことくらい、分かっているよね?』
「・・・それは、」
(――――どういう意味?)
『キミは一度死んでる。別の世界でね。そしてまたこの世界で命を授かった。僕はもう何百年も生きてきた。それは、キミと出会うためなんだ』
意味が分からない。
『あ、勘違いしないで?僕はキミに危害を加えに来たわけじゃない。むしろその逆。キミの力になるためにここに来たんだ』
「・・・力?」
『そう。キミに力を貸してあげる。僕の力があれば、キミに出来ないことができる。まあ、むしろその為に僕は生きてきたんだけど。さ、どうする?』
「ちょっちょっと待って・・・」
話がよく呑み込めなくて、頭の中をぐるぐると回っている。
『――――うーん、まだ少し理解できてないみたいだね。しかたない、少し強引だけど。』