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うちはに転生しました。

第49章 番外編いち





「・・・その、ハルさんという方に会ってみたいのですが」

「え?」

「ダメです。まだ寝てるって言ったじゃないですか」

「・・・マリ?いいじゃない、もうすぐお昼なんだし。どっちにしろ、もうちょっとで起こすわよ?」

「いえ、いいんです。私が失礼なことを言いましたね。・・・では、写真など見せてもらえないでしょうか?」

「写真なんてありません。ていうか、何でそんなに気になるんですか?・・・ハル姉は、あの女の人のこと知らないって言ってましたけど」


少し強い口調でマリがそう言うと、先生が焦ったように「こら!」と叱る。

けれども、それに怯む様子もなく、マリは鬼鮫を見たままだった。


「・・・そうですか。確かにそのハルさんは、小南さんのことを知らないと?」

「だから、そう言ってます」


キッパリと言い切ったところで、部屋のドアが開いた。

入ってきたのは私で、マリが途端にバツの悪そうな表情をした。


「ハル姉・・・」

「うるさくて寝れない。マリさあ、声がでかいよ?・・・お客さん、妹が失礼な態度をとってごめんなさい。ほら謝って、マリ」

「え、やだよ」

「マリ。・・・お姉ちゃんの言うこと、聞けないの?」


一歳しか違わないというのに、私は姉という立場を利用して丸く収まるように彼女に目で促す。

マリが渋々、不愉快そうな表情のまま謝罪の言葉を口にすると、そのまま彼女を連れて部屋を出るべく、彼女の手を引く。


「あの、ちょっと待って下さい」

「・・・はい?」

「私は鬼鮫といいます。あなたにお願いがあるのですが」


(・・・“鬼鮫”?)


聞き覚えのある名前に、一瞬思考が停止する。

が、それを悟らせないよう笑みを携え、向き直った。


「鬼鮫さん。初めまして、私はハルです。それで、お願いとは?」

「・・・実は、もう一度小南さんに会って頂きたいのです」

「・・・申し訳ないのですが、お断りします。小南さんというのは、この前いらっしゃった方ですよね?また私を見てあんな顔をされたら、私が反応に困ります」

「・・・」

「お引き取り下さい。・・・先生、私まだ寝るから」


マリといっしょに部屋を出る。

先程とは打って変わって、私を心配するような表情だ。

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