第47章 新たな一歩
“サスケ兄さんが木ノ葉を抜けた。やっぱり大蛇丸のところらしい。私も誘われたけど、断った。別に一生会えないわけじゃない”
“今日はアスマ班の応援で砂に行った”
そこから時間が経ったのか、少し字が変わっていた。
そして、書きかけの文章に気づく。
“今日、サソリが”
「・・・?」
(サソリが・・・なんだ?)
心なしか字が乱れている気がする。
そこで、ある結論に至った。
(・・・死んだってことか)
そこで様子を見ていたネネが「どした?」とのぞき込む。
「・・・あ、それなあ、サソリって人が亡くなったんやって」
「・・・そうみたいだな」
「ハル、結構仲良かったみたいで、額当てを埋めさせてくれってウチらんとこ来たとき、泣いとったよ。・・・ウチらどうしたらええか分からんでただ見てただけやけど・・・」
“久しぶりにサスケ兄さんに会った。今回は木ノ葉の任務も兼ねてたから穏やかにとはいかなかったけど、話せてよかった”
(・・・暁は全員死んでいる。その全員がハルにとって大切な存在だったとしたなら、オレは・・・)
(オレは二つも、アイツから奪ってしまったのか)
そんなことをぼんやりと思いながら、ページをめくる。
何ページか進んだところで、ある期間、暁の人間が次々と死んでいっていることに気がついた。
すべて震えている字でそれが記されている。
そのあと、こう書かれていた。
“みんな、いなくなってしまった。私はナルトに会うとますますどういう顔をしていいのかわからなくなる。サクラに会ってもドキッとして、うまく笑えないような気がする。クロでいようとしても、ハルの気持ちが邪魔をしてくる”
そこで思い出した。
ハルはクロとは正反対の子どもだった。
子供の頃のハルの思い出はどれも楽しかったものばかりだけど、彼女はいつも控えめに笑うだけだった。
それなのに、再会してあんなに笑うようになっていたのは、クロという人格を無理やり作り上げて演じているうちに、いつの間にかハルと混ざっていたということなのか。
(・・・複雑だけど、あんなに笑えるようになったのなら・・・いいことなのか)