第46章 幸せ者
「あれ、旦那?なんでここにいるんだ?」
「知らねーよ。つーかここにいる奴ら死んでるってことだよな?・・・ッハ、暁全滅だな・・・おい、最後まで生き残ってたヤツは誰だ?」
「私ですねえ・・・とはいえ、さっき死んだばっかりですけど・・・ハルさんに会うまではと努めていたんですが、爆発に巻き込まれて死んでしまいました」
「へえ・・・お、不死コンビじゃねーか。んだよ、死んでんのか」
「オレは九尾のガキにやられたが・・・飛段は知らん」
「オレ?生きてたけど、土ン中で腐って死んじまったわ」
「ったく、どいつもこいつも・・・おい、小南。お前は?」
「ハルと一緒に逃げたんだけどね、マダラに殺されてしまったわ」
「リーダーは?」
「オレは・・・まあ、諸事情だ」
「あっそ・・・じゃあ、イタチは?」
「・・・」
「おい、イタチ聞いてんのか?」
無視され、少しイラついたサソリの声が聞こえる。
鬼鮫がサソリに黙るように言うと、全員の視線がイタチの方へ向けられる。
「父さん、母さん・・・」
「久しぶりね、イタチ。大きくなって・・・ねえ、あなた」
「・・・ああ。立派になったな」
「立派なんかじゃ・・・」
「立派だ。オレはお前を誇らしく思う」
その言葉にイタチは静かに「うん」と言った。
やがてフガクが顔を上げ、イタチに問う。
「イタチ・・・お前がこちらにいるということは、そういうことなんだな」
「・・・サスケはまだ、生きてる」
「・・・ハルは?」
フガクの問い掛けに、イタチはすぐには答えられなかった。
フガクが険しい表情をしていると、口を開いたのは六道仙人だった。
「いつまでそうしておるつもりだ?」
六道仙人のとおる声がして、その場にいた全員の視線がそちらに引き寄せられる。
そして六道仙人の視線の先をたどると、そこには三代目の姿がある。
その後ろには動けない私がいる。
(私に向けて言ったのか・・・)
「・・・ワシの餞別を受け取らぬのか?」
そんな言葉が聞こえたけれど、私にはどうすることもできない。
やがて、三代目が動いた。
「・・・ハル、やはりお前は会うべきじゃ」
「は?・・・ちょっと・・・」
覇気こそないが非難する声を出した私に、その場の全員の視線が突き刺さった。