第46章 幸せ者
「・・・?」
「重ねてみろ」
言葉の通りに従い、六道仙人の手に自分の手を重ねた。
思わず笑みがこぼれた。
「・・・何を笑っている?」
「あったかい・・・スイレンみたい・・・」
「ワシはお前の魂の片割れではない」
「私、時間がなくて・・・」
「サスケならもうすぐ戻ってくるはずだ」
「そうですか・・・」
「・・・もう離していいぞ」
そっと離すと、六道仙人が私から少し離れる。
隣の三代目もよくわかっていないようで、不思議そうにしていると六道仙人の周りに次々と人影ができていた。
「・・・あ・・・」
それが誰かわかった瞬間、どこかに逃げ出したくなった。
「三代目様、前に来て・・・私を隠してください・・・」
「なぜじゃ?」
「いいから早く・・・」
三代目が私の前に移動する。
私を気遣うような素振りをしながらも、現れるそれらを険しい表情で見ていた。
やがて三代目も誰かわかったのか、その名を呟いた。
「・・・イタチ・・・それに、フガク、ミコト・・・暁のやつらまで・・・仙人様、これは一体・・・」
「ハル、餞別だ。この世界でのお前の魂は死ぬのではなく消滅する・・・そして、向こうに還れ。お前もわかっているな?」
「いやよ・・・ここで死なせて・・・って言っても、神様が言うんじゃあ仕方ないか・・・」
「・・・」
「・・・わかってるよ、でもだからって・・・こんな、余計なことしないでよ・・・」
(こんな血だらけなのに・・・死にかけのひどい状態を見せるなんて、最悪・・・)
やがて意識がはっきりとしてきたらしく、彼らが口々に話始めた。