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うちはに転生しました。

第44章 大切なもの





突如、戦場が揺れた。

ふと辺りを見渡せば、少し先に尾獣が見えた。

上半身裸のマダラが魔像の上にいて、尾獣たちを見下ろしている。

尾獣の首には魔像の口から飛び出している鎖が掛かっていた。


(待てよ、今どこだ・・・?)


必死に頭を回転させ、今がどの場面かを思い出す。


「あ、わかった・・・。スイレン、他の人のケガを治してあげてきて!私はサスケ兄さんのところに行くから」



やっとのことで思い出すと、聞こえていたかのように、マダラがこちらへと視線を向けた。


「ん?・・・なんだ、術が解けたか・・・まあいい、お前は後回しだ。オレから逃げられると思うなよ」


口角を上げたマダラに悪寒がし、思わず舌打ちをしてしまう。


(マダラから逃げられないだろう・・・かと言って、マダラが本気で私をどうにかしてくるという確証もない)


そうしていると、膝をついている柱間のところにサスケの姿が見えた。


そして、サスケがどこかへ行ってしまわないうちにと焦りながらそこへ向かった。






突如現れた私に、二人は驚いた表情を見せた。

サスケは構えたが、笑って見せると、眉をひそめて私を見た。


「・・・お前・・・」

「迷惑かけてごめんね、サス―――」


(どっちで呼べば、いいんだろう・・・)


たぶん、クロのことはバレている。

彼の目を見て、そう感じた。

グッと口をつぐんだ私を見て、サスケが言った。


「“ハル”」

「・・・!」

「お前はオレの妹だ。クロのことなら気にしなくていい」

「・・・ありがとう」

「お前はここにいろ。マダラからは絶対に守る」


サスケはそう言って、どこかへ行ってしまった。


「あ・・・サスケ兄さん・・・!」


背中が小さくなる。

向かった先にあるのは、外道魔像の上のマダラと、倒れている二代目の姿だった。


「やばい・・・!」


そこから先は、無我夢中だった。

走って、走って、走って。


(間に合え!)


サスケがマダラに斬りかかろうとするが、輪廻眼のせいで空中で動きが抑止されてしまう。

マダラがサスケに向かって何かを言っている。

地面に刺さったサスケの刀をマダラが持ち、心臓に向けた瞬間、


「よっしゃ・・・!」


(間に合った)


私は、サスケめがけて突進した。

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