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うちはに転生しました。

第43章 対峙




援軍が到着したことを察したスイレンだったが、ハルから目を逸らすことはしなかった。


(・・・僕がやらなきゃいけないんだ)


“スイレン、お願いね”


もう決めたことなのに、いまさら何をためらっているのだろう。

今までの記憶が脳裏にちらついて、思わず叫びたい衝動に駆られそうになる。


「僕、キミのためなら・・・何でもできるよ。キミを、守るよ。キミの約束と・・・キミの過去と、キミの守りたい世界と――――だから、ごめんね」


「・・・キミを殺すね」


ハルがグッと地を蹴って、スイレンとの距離を一気に詰める。

二人の間で刀とクナイが交わり、小さな火花が散った。


「ッ・・・!」


スイレンがもう片方の手に握っていたクナイをハルの首元めがけて振りかざすと、寸前のとこでハルは避けてみせた。

そしてそのまま体を反転させ、蹴りを繰り出すが、スイレンは腕でそれを受け止め、二人は間合いを取った。


「ハル、結構やるね・・・もしかして強くなった?」


(・・・今までのハルは、少なくとも戦うときはこんなに早くなかった。僕がずっと相手をしていないせいもあるけど―――そういえば、僕はハルが全力で戦っているところを見たことがない)


「・・・僕としたことが失態だよ。キミのことなら何でも知ってるつもりだったのに」

「・・・」

「まあ・・・答えてくれないよね。わかってるけどさ」

「うるさい。お前、さっさと死ね」

「・・・あ、喋った。なんだ、ずっと僕のこと無視してたの?」


スイレンが少しだけ口角を上げて、ハルを見る。


「でもさ、キミはハルじゃないね。ハルは僕を“お前”だなんて呼んだことは一回もないんだよ」

「・・・わたしが誰でもいいだろ」

「僕にとっては大切なことだ」

「知らない、そんなことは」


二人の距離が近づき、再び接近戦が繰り広げられる。

ハルの戦い方は、まるでいつもの戦い方をひどくしたようなものだった。

クナイを素手で受け止めることをためらわず、自分が持っている刀でさえ刃の部分を手で握っていた。

スイレンのクナイがハルの目元を掠め、包帯がはらりと解ける。


「・・・あ」


露わになった目元にある模様が、ハルが操られている証拠に見えた。


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