• テキストサイズ

うちはに転生しました。

第43章 対峙




「ああ。少し寄り道をしていたところだ」

「・・・寄り道?」

「ああ。アイツの様子が気になったものでな。オビト、上出来だ。しっかりと手中に収めている。いい働きをしていた」

「オレが失敗するとでも思ってるのか」

「お前はヘマをするかもしれんからな。・・・もうすぐ来るはずだ」


彼が現れたことで、険しい表情を浮かべる一同。

しかし、マダラの隣にもう一人、姿を現した。


「ッ・・・ハル・・・」

「クロ・・・!」


戦場に駆けつける道中で見た、彼女がいた。

これは分身ではなく、本体だろう。

スイレンの雰囲気が、一気に張りつめたものに変わった。


「行け、ハル」


彼女はその言葉を聞くと、特に返事もせず、ナルトたちの方へ走っていく。

片手には刀。

よく見ると、衣服にはところどころ黒いシミができていた。

それが返り血であること、そして自らが受けた傷から滲んだ血であることを、スイレンはすぐに理解した。

だからこそ、スイレンはクナイを手に、一歩を踏み出した。

そして、鈍い金属音を響かせた後、一度距離をとった。


「ハル・・・」


スイレンが悔しそうな表情を浮かべ、ハルの姿を見た。

薬を飲んでいないせいで、呪いが完全になりつつある。

スイレンとハルの体と一体化してしまうということは、つまり、片方が傷を負えば、その痛みをもう片方が共有することとなる。

そして、その痛みは本物として体にダメージを与え、致命傷を受ければ、両方死ぬ可能性が出てくる。


(まだハルの自己修復が機能してるってことは、まだ大丈夫ってことだよね・・・)


けれども、あまり時間がないことを感じたスイレンは、焦っていた。

スイレンがいろいろ考えている間にも、ハルは攻撃の手を緩めることなく、次々と仕掛けてくる。

この状況で一番の最善策を考えていたけれども、スイレンの脳裏にはハルの言葉がちらついて離れなかった。

スイレンから攻撃はしたものの、どれも致命傷には至らないもので、結局大勢の仲間がこの場に駆けつけるまで、スイレンとハルの戦いに進展は見られなかった。


/ 755ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp