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うちはに転生しました。

第43章 対峙




「ナルト・・・憎しみを飼うということは容易なことではない。いくらアイツが感情をコントロールすることに長けていたとしても、負の感情は自分達が思っているよりずっと重たいものだ」

「・・・だから、何だってばよ?」

「明るい道を歩いてきたお前にはアイツの苦しみは分からないと言っているんだ。・・・サスケがいい例だろう。お前は少しでも、サスケを変えられたのか?」

「・・・」

「ハルは耐えられなかったんだよ。失っていく悲しみに・・・空っぽになっていく心に。・・・無意識のうちに生まれたお前たちへの憎しみが膨れ上がり―――ハルは、目を閉じた。そしてそれが今のハルを動かしている」

「・・・」

「残念だったな、ナルト。お前じゃアイツは救えない!!」


何も言わないナルトはただ、男をにらむだけだった。

そして、「・・・わかってる」と言葉を吐き出した。



「そうか、それなら結構だ」

「それでも、オレは諦めない。アイツが許してくれるまで謝るし、償いだってするつもりだ」

「勝手にしろ。・・・ま、いずれにせよお前はここで死ぬんだ、そんな戯言が実現することはない」








―――一方、白ゼツと戦っている別の部隊では、戦場に異変が起きていた。


「二時の方向、敵です!目元に包帯、太刀・・・例の女だと思われます!本部からの通達通りの特徴です!」


少し前から各地の戦場では、正体不明の少女が出没していた。

穢土転生とは違い、生きた人間である。

彼女を殲滅すべく立ちはだかるのは何百人もの忍であったが、忍たちの間には緊張が走った。

彼女がひどく警戒されるのには理由がある。


「気を付けてください!あの女は各地をめちゃくちゃに荒らしているという情報です!」


本部に報告はされるが個人が特定されないため、弱点が見つからずにいた。


「来るぞ!」


男が大声で仲間に呼び掛けると同時に、彼女が動いた。

ゼツと戦う忍を、持っていた刀でゼツごと斬る。

そのまますばやく移動し、次々と斬り伏せていくと、あっという間に彼女の周りには死体だけになった。

迷いのない動作に圧倒されたのか、戦場には似合わない、一瞬の静寂がその場を支配した。


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