第4章 弱いものいじめ。
「ん・・・・・・・」
目が覚めると、頭がガンガンして痛かった。
何だか、寒い。
暖をとりたくてモゾモゾと身体を動かしてみると手足が動かなかった。
(・・・何だこれ・・・)
周りを見渡すと、暗くてあまりよく見えなかった。
というか、目隠しされている。
今は状況が確認できているので先ほどのような恐怖はあまりない。
とはいえ、ないわけではない。
(・・・・何ここ・・・)
そこで思い出す。
――――――あの男の顔を。
ギュッと目を瞑り、必死にそのイメージを消す。
どうやら、無自覚のうちにトラウマになっていることに気が付いた。
(イタチ兄さん・・・気付いたかな)
どれだけ時間が経ったか分からないので、今がいつなのかもわからない。
―――――そうしていると、足音が聞こえた。
思わず息を呑む。
やがて、急に明るくなったかと思うと目隠しが外された。
「よォ、あんときのガキ」
「・・・・・っ・・・・」
「苦労したんだぜ?お前探すの。なあ?お前のせいで俺は檻の中でずーっと暮らしてたんだ。この俺が!俺みたいな優秀な忍を、だ。そんときずっと考えてたんだ。必ずお前を見つけ出して、俺と同じ苦しみを与えてやろうってなァ!」
「・・・・・っ・・・・・」
「おいおい、何だその顔は・・・・?俺が直々にお前に出向いてやってんだ・・・。ありがたいと思えよ!」
「うっ・・・」
髪をグイっと引っ張られ、頬を殴られる。
(・・・痛い)
「おいおい、このくらいでへばってんじゃねえ、っよ!!」
「う゛・・・・」
今度は腹を蹴られる。
それから、私への殴る蹴るの暴行はいつまでも続いた。