第4章 弱いものいじめ。
イタチは、いつも通り4日後にハルの家まで向かっていた。
あの家は人目につかない森の中なので、まず人に見つかることはない。
そういうことであの家に決めた。
まだ穢れを知らない妹。
(絶対に危険な目に合わせない)
イタチにとって、それは絶対だった。
――――それなのに。
「・・・・・・どういうことだ」
目の前の光景に言葉を失う。
部屋にあったいくつもの本はそこら中に散らかり、ありとあらゆるものがぐちゃぐちゃになっていた。
(―――どうして)
そこでハッとする。
「ハル・・・?おい、返事しろ」
まさか。
「おい・・・」
ハルがこんなことするはずない。
あの子は物を粗末にする人間ではない。
(・・・落ち着け)
ゆっくりと深呼吸をする。
焦っていてはいては何も始まらない。
(ハルがいない)
それだけで十分だ。
(ごめんな、もう少し待ってろ)
絶対見つけてやる。
それからのイタチの行動は早かった。
一度、アジトに戻りペインに「私情で少しの間戻らないかもしれない」と伝え、早速行動を開始した。
(・・・どこだ)
影分身を出して、出来るだけ広範囲に渡って探す。
しばらくすると、写輪眼が1つの場所で止まった。
(―――あそこか)
イタチはその場所に向けて、足を進めた。