第4章 弱いものいじめ。
イタチ兄さんがいなくなると、私もすることがなくなる。
なので、適当に外に遊びに出ている。
とはいえど。
「・・・・・暇だなー・・・」
一人だし、何もすることがない。
おまけに、私は遊び方をしらない。
サスケを見に行きたいけど、移動手段がない。
「・・・・・・・・・・・よし」
(探検に行こう)
何故この発想になったのかは自分でもよく分からないが、とにかくそのときの私の頭の中には、探検という言葉しか出てこなかったのである。
それが、数日後、後悔することになるとは夢にも思わなかった。
「・・・・おお・・・バッタ・・・!」
ただいま、探検中。
森の中は案外広く、奥に行くと迷いそうなので肉眼で家が確認できるところまでにしている。
外には、色んな動物や虫がたくさんいてとても新鮮な気分だ。
(あんな部屋に閉じ込められているより、こっちの方が100倍マシだ)
病室という名の部屋に閉じ込められて、病気という枷で縛られて。
あのすべてが制限された世界よりも、緑に包まれている今の方がずっとずっと生きていると感じられる。
(・・・・すごい)
頬を撫でる生暖かい風が、豊かな自然を教えてくれる。
「――――・・・私、生きてるんだ」
ポツリと呟き、頬を伝う涙に知らんぷりをした。
そのせいかもしれない。
私を見る、視線に気づかなかったのは。
「・・・・やっと見つけた」
ソイツはあの時と同じ、血走った目でニヤリと笑った。