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うちはに転生しました。

第37章 サスケとハル




「―――・・・スイレン、どうかな」

『残念だけど、これは解けそうにない。僕は治癒はできるけど、無理やり術を解くことはできないんだ。・・・ごめんね、僕の力不足で。どうしたらいいんだろう・・・とりあえず、ネネに診てもらおう。何かわかるかもしれない』

「ん、ありがとう。スイレン」

『お礼なんて言わないでよ、僕は何の役にも立ってない』

「スイレンはすごいよ。私、スイレンにいつも助けてもらってばっかりだから」


数日前にオビトの術によってできた手の甲のアザは、依然としてそこに居座り続けていた。

そのアザは少し広がったようにも思える。

これが良くないものだということは、言われるまでもなく理解している。


“お前はお前ではなくなる”


そう言ったオビトの真意はわからないが、単純に考えると、私の体がどうかなるのか、もしくは別人に変わるのか、ということしか思い浮かばない。

でも良くないことが起こるのは確実だと思い、私は昨日、サスケに会わせてもらえないかというお願いを鬼鮫にした。

何もかもが遅くなる前に、一度だけでも妹として会っておきたかった。

鬼鮫は詮索はせず、ただ一言、了解の返事をくれた。


(でも、その他のことは何も話してないんだよね・・・いつ会うとか、何もわからない)


『ネネのところにはいつ行くの?早いに越したことはないと思うけど』

「・・・ちょっとだけ昼寝したいな。適当に起こしてくれる?」

『わかった』


部屋に戻り、ベッドに入る。

一人では広すぎるベッドは、やはり寂しさを感じた。

みんながいなくなったからといって私の生活に支障をきたすわけではないけれど、目を開けていても閉じていても、ここには空白しかないと思わされる。

鮮やかな思い出はいつしか色あせてしまうかもしれない。

みんなの声だって、思い出せなくなる日がくるのだろうか。

どれだけ覚えていようとしていたとしても、時間はすべてを過去にする。

これは、過去に執着しているというのだろうか。


(やっぱり・・・良くないことなのかな)


夢で会えたって、所詮はにせもの。

頭ではわかっているのに―――どうしてなんだろう。心が揺れた。

そんな自分に、ひどく嫌悪感を抱いた。

ぐるぐると考えていると、いつの間にか意識はどこかへとんでいった。
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