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うちはに転生しました。

第37章 サスケとハル




次の日、別アジトにて鬼鮫はサスケに声を掛けていた。


「サスケ君、少しいいですか」


突然話しかけた鬼鮫に、サスケは目をそちらに向けるという薄い反応を示した。

彼の代わりに答えたのは、水月だった。


「なになに?鬼鮫先輩、何か用?」

「・・・お前にではありませんよ、水月。私が用があるのはサスケ君です」

「そんなこと言ってもさ、気になるじゃん。それに、アンタがサスケを殺すかもしれないし」

「ハハ、お前は本当に鬱陶しいですね。群れてないと生きていけないのですか」

「は?」


鬼鮫の口車に乗った水月が太刀に手をかける。

鬼鮫は相手にする気もないようで、水月を無視していた。


「やめろ、水月。面倒事を起こすな」


そこで、それまで黙っていたサスケが水月に向けて言う。

水月は舌打ちをしたあと「あーあ」と少し苛ついたような声を出したが、それ以上は何もしなかった。


「・・・で?アンタ、オレに何の用だ」

「ああ、そうでしたね。実はハルさんについて、お話があります」

「・・・!」


ハルという名を口にした瞬間、サスケは鬼鮫の方へ向きなおった。


「おや・・・ずいぶんと反応がいいですね」

「そんなことはどうでもいい。早く言え」

「・・・君、ハルさんに会いたいですか?」


サスケの表情が怪訝なものになる。


「・・・どういう風の吹き回しだ」

「そう警戒しないでくださいよ。で、答えは?」

「決まっている」


間髪入れずに返ってきた答えは、イエスだと思って間違いないだろう。

鬼鮫は小さくため息をつくと、口角を上げた。


「そうですか。では、ついてきてください」

「・・・?」

「君を彼女のところへ案内してあげます」


サスケはまばたきを一つし、視線を下へ落とした。

だが、それも少しの間で視線を元に戻すと、鬼鮫を見た。


「ここから少し離れています。移動しますよ」

「・・・わかった」


移動し始めた鬼鮫に、サスケはついていく。

残された水月はポカンとしたままで、その後ハッとすると他のメンバーの元へ向かった。


「香燐、重吾、クロ!サスケが行っちゃった!追いかけよう!」







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