第4章 弱いものいじめ。
「――――――三代目」
「――――――イタチか」
ヒルゼンは、イタチがここに来ることが分かっていたように暗部のいないところにいた。
そのヒルゼンの後ろにイタチは現れた。
イタチは膝をつくとハルを立たせ、頭を撫でた。
「・・・お前も、人の子。可愛い弟と妹は手を掛けられなかったということか」
「・・・はい」
「安心せい。サスケはわしが責任を持って、いい環境で育つように出来るだけ配慮する。・・・・その妹はどうするのじゃ?」
「ハルは・・・妹は、死んだことにしています。このことは、」
「分かっておる。約束は守る」
「ありがとうございます」
さっきサスケに見せたのは幻術だった。
ヒルゼンは大きく息を吐き出すと、こう言った。
「・・・イタチ。悪かった」
「・・・・・・・いえ」
「元はわしの甘さ故に起こってしまったこと。本当に・・・」
「いえ、いいのです」
「・・・心から感謝する。お前は木ノ葉の英雄だ」
「・・・イタチ兄さん」
「ん・・・・?」
「今度は、ハルが、イタチ兄さんのこと守ってあげるね!」
(俺は、ハルがいればそれで十分だよ)
イタチはそう言いたかったけど、掠れて声が出なかった。