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うちはに転生しました。

第34章 恩返し





「・・・どうしたの?」

「お前に言っておきたいことができた。今言わないと、言う機会も無さそうだからな」


最近のイタチは、以前に増して優しくなった。

けれども、ボーッとしている時間も増えて、何やらみんなと話していることも多くなった。

そして、もう一つ変わったことがある。

―――イタチが、私に隠れて薬を飲み始めたのだ。

それに気づいたのはついこの前で、偶然お風呂から上がった時に見てしまった。

私もネネから渡された薬はちゃんと飲んでいるけれど、私のとイタチのでは目的が違うと思う。


(・・延命、なのかな。それともただの風邪なのかな)


「お前は、何を大切に思っている?」

「イタチ兄さんと・・・みんなとスイレン。ネネたち、かな」


(“サスケ兄さんも”とは、言えないな)


イタチは私にサスケのことを聞いてきたことがない。

わざと避けているのかはわからないが、彼がそうしている以上は私も自分からその名前を口にしたことはない。

けれども、イタチがサスケのことを大切に思っていることは分かっているので、それでいいと思った。


「オレもお前が何よりも大切だよ・・・大切なお前には、自分に恥じない生き方をしてほしい。別に誰に認められなくてもいい・・・でも、後悔はしないでほしい。いつかお前が大人になって、オレやみんながいなくなっても・・・それは変わらないでほしい」

「・・・イタチ兄さんは、どうなの?」

「オレは・・・後悔だらけだったな。けど・・・一つだけ後悔していないことがある」

「・・・?」

「・・・お前が生きてくれていることだ。あの夜、お前が目を閉じたとき、お前を失いたくないと思った。お前たちを失うことが、オレの一番恐れることだ」


(“お前たち”・・・)


「大丈夫。私はたぶん、長生きすると思うよ・・・今回はね」

「ハハッ、お前は面白いことを言うな」


イタチの言葉は何だって、私の中に一生残るだろう。


(後悔しない生き方・・・か。正解もわからないのに、どうしたらいいんだろう)


信じた道が間違えていたら、どうしたらいいんだろう。

誰も教えてくれない。自分で探すしかない。

今だって怖いのに。

でも、イタチの枷にはなりたくない。


「ハルは、大丈夫。イタチ兄さんの妹だから、心配しなくても全然大丈夫だよ!」




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