第34章 恩返し
結局、イタチたちはそのまま任務に行った。
怒っていないと言っていたけど、本当はどう思ってるんだろう。
イタチは行く前に私に、すぐ帰るようにと約束をさせた。
頷けば「じゃあ、オレは任務があるから。早めに帰るよ」と言ってどこかへ行った。
「ネネ、いろんな人が来てごめんね。んー・・・そうだな、ネネ、一旦帰りなよ。アスマさんが起きてから頼みたいことがあるから、その時にまたお願いしてもいいかな?」
『わかった、ならウチは帰るで?』
「うん、ありがとう。ごめんね、わざわざ来てもらって。ここには私の分身を置いておくから、大丈夫」
アスマが起きたらいろいろとしなければいけないことがでてくる。
だけど今は、イタチとの約束を守ろうと思った。
『じゃあね、ハル、主様!また呼んでな!』
「うん、ありがとねー!気を付けて帰ってよ!」
『お互いな』
フクロウ姿に戻ったネネの姿が見えなくなると、私たちも帰ることにした。
アジトへ戻ると、不死身コンビの姿があった。
「飛段さん、角都さん・・・」
「お、ハルじゃねーか。オレらも今帰ったところだぜ」
「今回は惜しかった・・・あの賞金首・・・」
「うるせーな、角都。もういいだろうがよ」
いつも通りの二人の姿。
久しぶりに見る彼らの姿に、私の表情は明るくなった。
「二人とも、おかえりなさい!ケガもなくて、何より・・・ん?飛段さん、首・・・」
「あ?あー・・・ちょっと首飛ばされちまってよ。超痛かったっつーの」
「自業自得だ」
「しゃがんでください、飛段さん。繋げます」
フンと気にしてもいないような角都に苦笑いをし、飛段に言う。
すると、飛段は首をかしげながらも、膝を折って「繋げるってなんだ?」と私に聞いた。
「首です。いくら死なないとは言えど、私は飛段さんに無傷でいてほしいんです」
そう言うと、両手で飛段の首にふれる。
角都が縫ったことでくっついたとはいえ、私が嫌だった。
(やっぱり、私はこの人たちが大好きだ)
「・・・はい、終わりました」
パッと手を離せば飛段の首は元通りに繋がっていた。
角都が臨時で縫った太い糸のようなものごと繋げてしまい、慌てていたが、角都の「アイツにはあれぐらいがちょうどいい」という言葉で「まあいいか」と思うことにした。