第33章 笑顔
「さ、行きましょう。場所はわかってますから」
「ああ・・・は?ちょっと待て。クロ、わかってるってどういう意味だ?」
「そのままの意味ですよ、ヤマトさん。私、何度かサスケに会いに行っているので場所はわかります。ナルトくん、サクラちゃん、行こうか」
「おいおい・・・君・・・」
ヤマトは私を見て、苦笑いをした。
そんな彼の横で呆然としているのが二人。
ナルトとサクラは口をパクパクさせていた。
「行かないなら別にいいけど」
「い、行くってばよ!」
そんなこんなで移動し初めていたが、サクラの腕の傷が痛むようで、とりあえず休むことにした。
ナルトがヤマトと話をしに向こうへ行ったのを見たあと、自分で治療しているサクラの隣に腰を下ろした。
「大丈夫?・・・だから言ったでしょ、まだ終わってないってー」
「うん、ごめんなさい・・・ところでクロ、さっきの話だけど・・・」
「ああ、サスケのこと?」
そう聞くと、サクラはやや緊張した面持ちで頷いた。
「会えているなら、どうして連れ戻してくれないの」
「・・・サスケがそれを望んでいないから」
「どうして今まで言ってくれなかったの」
「・・・言ったら、会いたいって言うでしょ?」
「当たり前じゃない!」
「無理だよ。サクラちゃんたちは今のサスケを連れ戻すことはできない」
「ッ・・・」
そう言うとサクラは強張った顔で私を睨んだ。
それを気にもとめず、笑顔を作った。
「サスケはね、一族と妹の仇をとりたいって言ってたよ。私は復讐が悪いことだとは思ってないし、だからこそサスケを止めない」
「悪いに決まっているじゃない!復讐なんて、何も生まないわ!」
「そうだね。それでもサスケはその道を選んだ。サクラちゃんにはわからないかもしれないけど、私にはわかるよ。復讐者の気持ちが」
「わかるって・・・」
「サクラちゃんは大切な人を殺されないと、気持ちがわからないのかな。そんなわけないよね、サクラちゃんは頭がいいから想像はつくでしょ」
「・・・クロは、大切な人が殺されたことがあるの?」
「あるよ。けど、私は復讐の道は選ばない。他にするべきことがあるからね」
「・・・」
「さ、こんな暗い話は終わりにして、サイくんの持ち物、見てみよう?何かわかるかもしれないし!」