第3章 里と犠牲と守るもの。
「・・・・・・・・」
目が覚めると、辺りはもう暗くなっていた。
「ん・・・・?」
居間の方から明かりが漏れていることに気づき、居間に向かう。
起き上がり、ワンピースの裾を直し歩く。
このワンピースはあの事件の後、もう一枚母が作ってくれたものだ。
だから、このワンピースはお気に入りだ。
何やら、話し声が聞こえた。
「・・・イタチ」
「・・・ごめん、父さん、母さん・・・・!」
イタチは俯いている。
襖が少し開いていてそれが分かった。
(・・・まさか、今日・・・?)
「っ・・・?そこにいるのは誰・・・?」
母の声がした。
私は襖に手を掛ける。
息を呑む音がした。
「ハ、ル・・・」
私は、部屋のなかに足を踏み入れた。