第33章 笑顔
ナルトとサクラが足を止めると、そこには、先程会ったヤマトと、全体的に色が白い男性がいた。
(ん?この人・・・ていうか、今日は新しい出会いが多いな)
すると、ナルトが大声をあげ、彼を指さした。
「お前・・・!」
「ああ、君か」
(“サイ”だ)
服装から見ても、たぶんビンゴだろう。
彼はナルトに対し、かなり失礼なことを言っていたが、それはサクラにも同様だった。
手が出てしまいそうなサクラを、ヤマトがおさえる。
「ンだとこの野郎!!」
「君、落ち着いて!」
「ははは」
賑やかだなあとその様子を見ていると、私に気が付いたヤマトが「あれ?」と声をあげた。
それに倣うように、順番にみんなが私の方を向いた。
「君は・・・」
「あ、先程はどうも」
ニコニコと笑みを浮かべていると、ヤマトがため息をついたあと、サイが口を開いた。
「君、なんだか胡散臭いね」
「・・・キミも結構胡散臭いよ?」
「はは、そうかな。僕は君くらいの年代のクソガキが大嫌いなんだ」
「そんなに歳は変わらないと思うけど。私もサイくんみたいな調子に乗った人は、あまり好きじゃないの」
両者ともに笑みを絶やさない。
ニコニコと微笑む私を、ナルトたちが驚いたような表情で見ていた。
「クロ・・・お前ってば、結構黒いところもあるんだな」
「失礼だな、ナルトくん。私だって人の好みとかあるんだよ」
大人げないことしたな、とすぐに思ってたが、まあいいかと思い直す。
すると、ヤマトの声がした。
「ちょっと君。部外者は帰りなさい。僕たちはこれから任務なんだ」
「それ、ついて行ってはだめですか?」
「は?」
「ご迷惑は掛けません。どうでしょう?」
「・・・わかった。ただし、ちゃんと綱手様に報告してくること。今から一時間あげるから」
ヤマトは意外にもあっさりとオッケーしてくれた。
内心、拍子抜けしたが、笑顔は崩さずお礼を言う。
各自が自己紹介を済ませたあと、一時間後に集合することが決まると、一時解散となった。
「スイレン、綱手姫のところに行くよ」
『オッケー』
「早く済ませよう。私、ヤマト・・・おっと、ヤマト“さん”と話してみたい」