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うちはに転生しました。

第33章 笑顔





特にすることもなく、ぼんやりと歩いていると、後ろから私を呼ぶ声が聞こえた。


「クロー!」

「あ、ナルトくん・・・と、サクラちゃん。二人とも、元気そうだね」

「まあな!」

「なんだか久しぶりね、クロ。って、そんなことないか、この前会ったんだし」

「・・・え?」


最初にサクラと目が合ったとき、一瞬、体が固まった。

なんとか笑顔で誤魔化す。


(いつも通りに振る舞えてるかな・・・)


「ほら、砂の件だよ!なんでクロはあそこにいたの?」

「あ、そういえばオレともすれ違ったよな?あんなところで会うなんて思ってもなかったってばよ」

「えーと・・・ごめんね、よくわからないんだけど・・・」


サソリのことに気がついて、小南を置いてアジトを飛び出したときのことを言っているのだろう。

ナルトとカカシとは行く途中ですれ違ったが、私はシラを切ることにした。


「えっ?・・・じゃあ、あの人は誰?」

「私、砂には行ってないし・・・むしろ、私の家からは逆方向だよ」

「そうなの?」

「うん。もしかしたら、私って結構有名なのかな?あは」

「もう!笑い事じゃないのよ?」

「ごめんごめんー」


何やら考えているサクラだったが、対照的に、ナルトは「そうだよな!」と楽観的に言った。


「あん時のクロは、なんつーか・・・ちょっと顔が怖かったな。雰囲気も違ったってばよ。まあ、オレも焦ってたからよくわかんねーんだけど」

「クロは優しくてかわいいもんねー」

「自分で言うなってばよ」

『ハルはかわいいよ!』

「いや、冗談だから」

『えっ』


なぜか最後の部分だけスイレンが頷いていたが、しっかりと否定したあと、気を取り直してサクラに尋ねた。


「これからどこ行くの?」

「カカシ先生の代理の人と、あともう一人の誰かと顔合わせなの。ちなみに、カカシ先生は休養中よ」

「ふーん。ねえ、私も行っていい?」

「いいけど・・・何もすることないわよ?」

「いいのいいのー」


二人のあとを、スイレンとついていく。

背中を向けられると同時に、思わず息をついてしまった。





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