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うちはに転生しました。

第32章 二年





イタチたちが発って、二日後。

あいかわらず芸術コンビは帰ってこないし、イタチたちも戻らない。

だが、なぜか目の前には小南がいた。


「・・・小南ちゃん?」

「ええ、そうよ」

「どうして・・・めずらしいね」

「あなたが一人だと聞いて。まあ、分身なんだけど・・・」


どうやら心配してくれているようで、「ありがとう」と言えば微笑み返してくれた。


「ねえ、小南ちゃん」


小南がいるので、外出は控えることにした。

暇つぶしと言ってはなんだが、今は、小南に折り紙を教えてもらっている。


「今日って・・・何かあるの?」

「何が?」

「みんないないし・・・何かあるのかなって思って」

「・・・そうね。みんな、今は共同の任務を行っているのよ」

「へえ・・・小南ちゃんは行かなくていいの?」

「行ってるわよ。ほら言ったじゃない、私は分身だって」

「あは、そうだったね」

「でもまあ、もう終わったみたいだけど・・・」

「じゃあ、そろそろみんな帰ってくるの?」

「たぶんね」


(あれから二年だし、暁のみんながそろそろ尾獣狩りに出てもおかしくな・・・い、か・・・・)


「・・・え?」


思わず立ち上がった。

座っていた椅子がガタンと音をたてて、向かいに座っていた小南が驚いたように顔を上げる。


(尾獣、狩り?)


“大人の事情でな”

“そろそろデイダラが仕掛けるようですよ”

“あれやるの疲れるんだよなァ”


「“大人の事情”・・・」

「ハル?・・・どうかしたの?」


どうして今まで気が付かなかったんだろう。


(ということは、まず、一尾から・・・ん?待てよ、それじゃあ、サソリが―――)


「ご、ごめん、小南ちゃん・・・私、用事思い出しちゃったの!だから行くね!」

「えっ・・・ちょっと、」

「スイレン、出掛けるよ!付き合ってくれてありがとう、小南ちゃん大好き!」


最後はほとんど叫ぶようにしてアジトを飛び出す。

靴もまともに履けていないままだったので、空中で片方の靴が脱げた。


『キミ無謀すぎるんだよ!!あと靴脱げた!』

「気にすんな!」


スイレンが叫ぶ。

答えると同時にスイレンに乗らせてもらい、もう片方の靴を脱いで投げた。


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