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うちはに転生しました。

第31章 残念ながら





「ここ、誰の秘密基地ですかね・・・」


もちろん、大蛇丸のアジトだと決まったわけではない。

まだ可能性の段階だ。


「じゃ、とりあえず見てみるか。クロ、立てる?」

「はい」


カカシが奥へと歩いて行く。

私もそれに続いて、スイレンを抱いて歩いた。


「ん・・・?」


先の方に、明かりが漏れているのに気が付いた。


(出口・・・いや、広間か?)


気配をたち、音をたてず、息を殺し、慎重に歩いていく。

明かりが漏れている方から、何やら声が聞こえた。

だが、今いる時点では聞き取りにくい。

カカシも声に気が付いたようで、集中しているようだった。

そして、ついにはっきりと声が拾えるところまでやってきた。


(・・・この声は、まさか―――)


―――ビンゴ、だった。


「無断で入られては困りますね」

「・・・大蛇丸はどこだ?」

「あのお方は少々立て込んでおりまして・・・」


聞こえたのはカブトの声だった。

そしてもう一つの声はイタチのもの。

ここは大蛇丸の―――。


「おやおや、また新しいお客さんですか?ずいぶんと今日は賑やかだ」


(!?)


『バレてるよ、ハル。どうするの?』

「・・・ど、どうしようもないよ・・・」


カブトは私たちのことに気が付いたようだった。

仕方ない、と腹を括り明かりの方へ足を踏み出そうとすると、先にカカシが歩き出した。


「・・・木ノ葉、ですか。おおかた、大蛇丸さまの居場所でも探れと言われたんですか?まったく・・・あの女」


「あの女」というのは綱手のことだろうか。

最後の方は呟くような声だったが、私がカカシに続いて姿を現すと、少し驚いたような表情をし、口角を上げた。


「これはこれは・・・嬉しいお客さんだ。君の方から来てくれるなんて大蛇丸さまもきっと喜ばれる―――・・・ねえ、クロさん」


睨むでもなく、ただカブトを見つめる。


「別に、私はそちらへ行くつもりはありませんので・・・」

「それは残念。でも、もったいないなあ・・・せっかくソレを持っているというのに」


「ソレ」とは呪印をさしているのだと安易に察する。

今は包帯で隠しているが、“ハル”と同じ場所に同じ呪印が付いている。


(もしここで見られたら、あとが面倒だな・・・)












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