第31章 残念ながら
(いやいやいやいや・・・タイミングある意味良すぎだろ!?ていうかここで会うの?会っちゃうの?マジでいらない運命だわ・・・)
内心はすばらしいほどの混乱っぷりだったが、声に出して言うわけにはいかない。
二人は何やら話しているようでちらほらと会話が拾える。
「おい、ここはハズレみたいだぜ」
「ああ・・・」
チラリと目線を移すと、向かいにカカシの姿があった。
(やばい、こっちもいいタイミングすぎる・・・・)
カカシも想定外だったようで驚いている様子がうかがえる。
カカシは私の視線に気が付くと、何やら合図を出した。
(・・・?)
『たぶん、“オレが合図をだしたら出て”って言いたいんだと思うよ』
「あ、そう」
スイレンの通訳で、カカシに頷いて返す。
するとカカシはクナイを持ち、構えると―――そのクナイを彼らに向けて投げた。
「・・・!」
それを瞬時に気付いたイタチがクナイで叩き落とす。
「―――誰だ?」
イタチの温度を感じさせない声が聞こえる。
カカシがゆっくりと二人の前に姿を現した。
「久しぶりだな、イタチ。こんなところで会うとはね」
「・・・カカシさん、お久しぶりですね」
カカシとイタチが静かに睨み合う。
すると次の瞬間―――どちらからともなく、二人は戦闘の姿勢に入った。
カカシは額宛をグイと上げ、イタチは目を閉じ、それぞれが写輪眼を使用し、戦い始めた。
「サソリ」
「あ?・・・めんどくせーな」
イタチが戦闘の合間にサソリの名前を呼ぶ。
サソリは察したようでボソリと文句を言った。
私はまだ隠れている。
いや、合図を逃したと言ったほうが正しい。
様子を窺っていると、カカシが隙を突かれ、クナイが腕を掠めた。
直後、私は飛び出した。
動きが鈍くなったカカシの目の前にクナイを構え、彼に対抗する。
「お久しぶりですね、うちはイタチさん!」
「お前は・・・」
一旦、お互いに距離をとる。
イタチは私のことに気がついたようで、無表情ながらも、私をじっと見据えていた。
「まさかこんなところで会えるなんて、運命感じません?」
「・・・」