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うちはに転生しました。

第31章 残念ながら








―――一か月後。


「お、やっと来た。オレより遅いなんて、お前もなかなかの遅刻魔だね」


集合時間は昼過ぎだった。

カカシのことだから集合時間ちょうどには来ないだろうと思って、アジトをその時間に出ると、集合場所にはすでにカカシの姿があった。

アジトを出発する際にイタチとサソリが何やら話していたし、出掛けると言っていたので、今日辺り、大蛇丸の捜索とやらに出掛けるのだろう。

嘘だろ、と思ったが、あくまで私の推測なので、とりあえず鉢合わせしないことを祈った。


「あれ、ちゃんと来てるんですね。てっきり私より遅いのかと」

「はは、そんな風に思われてるんだ、オレ」


軽い挨拶のようなものをしたあと、沈黙が落ちる。

いつものようについてきてくれたスイレンは私を見上げたあと、キョロキョロとあたりを見渡した。


『今日は暗部、いないみたいだね』

「あ、そうなの?じゃ、行きましょうか、カカシさん」


カカシにそう言うと、彼は私の隣に並んで「ちゃんとオレの指示に従ってよ」と言った。

先日、カカシとの打ち合わせで、今回の任務ではカカシが指揮をとることに決まった。

つまり、今回の任務中だけは私はカカシの部下だ。


「わかってますよ、ちゃんと従います。どうぞ、私を手足として使ってください」


大抵、計画を立てずに行動している私だが、この世界では思い通りに事が進まないことを理解しているのでそうしている。

今回の大蛇丸捜索任務に私が加えられたのは、私が大蛇丸側に寝返る可能性を見るため―――というのもあるのかもしれない。

どちらにせよ、今回の任務は大蛇丸の居場所を特定するためだけのものだ。

交戦することはないだろう。


「ここからしばらく移動するから。ちゃんとついてこいよ」

「はーい」

『後ろ乗って』

「ありがと。スイレン、カカシさんのあとついていってくれる?」

『了解』


カカシは私がスイレンに話しかけているのを横目で見たあと、「行くよ」と言い、歩き始めた。

スイレンにその横に並んでもらい、私たちはついに任務開始となったのだった。












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