第31章 残念ながら
「―――は?え・・・いやですよ。なんで私が」
「お前ね・・・自分から言ったんでしょ、『自分を利用してくれても構わない』って」
「・・・言葉のあやみたいな」
「ハイハイ、つべこべ言ってないで行くんだよ。オレとお前。よろしくね」
三日後、木ノ葉に足を運ぶやいなや、すぐにカカシに遭遇した。
聞けば、私を待っていたらしい。
「えー・・・カカシさんと、かあ。私、誰かといっしょに行動するとか初めてなんで、チームワークはとれませんよ」
「んー・・・そのいつもいっしょにいる子はどうなの?」
「スイレンのことですか?この子は自分で身を守れますから」
綱手からの直々の命令で、私とカカシはいっしょに大蛇丸捜索任務に当たるらしい。
スイレンはいまいち話の流れについていけてないようで、首をかしげている。
「・・・いつですかー?」
「1ヵ月後」
「・・・綱手姫は私の呪印のこと知ってる上でそんなことを?」
「そりゃもちろん、耳には入っているだろうさ。お前を信用に値するか見極めて来いと言われたよ」
「そりゃまあ、辛辣なことで・・・」
先日の言葉は、しっかりと綱手に覚えられているようだ。
「・・・わかりました」
「うん、よろしくね」
「一か月後、また来たらいいんですか?」
「んー・・・できればその間にも来てほしいね」
「わかりました」
カカシはにこりと笑うと、私を指さして言った。
「正直、オレは不安しかないんでね。お前みたいな子どもと組む日がくるなんて、思ってもみなかったよ」
「はは・・・残念ながら、きてしまいましたね。足を引っ張らないように頑張ります」
カカシは笑みこそ浮かべていたものの、容赦ない言葉を口にする。
「それじゃ、また今度。今日は帰りますね」