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うちはに転生しました。

第29章 スイレンとイタチ












角都はハルの言葉を聞くと、「そうか」と言って動きを止めた。


「・・・じゃあ、少し速めにいくぞ」

「は、はい」


口調こそぎこちなかったが、ハルは笑っていた。

だが、攻撃が速くなっても、すべて避ける。

角都は少し首をかしげ、また動きを止めた。


「・・・ハル」

「はい・・・?」

「もう面倒だから、普通にいく。痛い思いをしたくないのなら、すべて避けろ。あと、避けるだけではだめだ。相手の隙を狙って攻撃しろ」

「は、はい!」


そう言って、再び動き出した角都は、宣言通り速かった。

ハルはギリギリのところで避けたが、連続の攻撃はさすがにキツかったのか、避けきれず、さきほどのデイダラと同様、後方へ飛ばされ、木に体を打ち付けた。


「おいおい・・・やりすぎじゃねーの」


そんな飛段の声が聞こえたが、イタチは無言でその様子を見ていた。


「ゲホッ、ハァ・・・」


ハルは体を打ち付けた衝撃で、少しの間咳き込んだが、やがて立ち上がると、顔を上げた。


「角都さん・・・そのままで、お願いします」

「わかった。フッ・・・いい目だ」


ハルの目は、赤くなっていた。

―――写輪眼だった。

この場の全員が驚きを隠せないでいる中で、当の本人は周りの視線など気づいていもいないようだった。


(アイツ・・・)


「これは驚きましたね・・・さすが、あなたの妹とでもいいましょうか・・・」


(それに、あの体術・・・いったいどこで覚えて来たんだ・・・?)


もやもやと、イタチのなかの疑問が次々と浮かんでいく。

もしかしたらあの体術も、あのネネというフクロウたちを助けるために必要だったのかもしれない。

ハルは、緊張など忘れてしまったかのように、今度は避けるだけでなく、自分からも仕掛けていっていた。

その写輪眼は、角都の動きをすべてうつし、そして焼き付けているようだった。


結局―――勝負は、角都がハルを地面へ叩き落とす寸前で、ハルの腕を掴んだことで終わった。

立たせたあと、ハルは一瞬呆けていたものの、気が付くと「ありがとうございます」と、いつものへにゃりとした笑みを浮かべた。

そこへイタチが近づく。


「ハル」

「ゲッ・・・イタチ兄さん・・・」

「『ゲッ』とはなんだ」


ハルはイタチの顔色を窺うようにして、見上げた。
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