第28章 途中
「―――んで、サクラはサスケを止められなかったらしい。クロの言う通りになったってことだ。ったく・・・クロのやつ、なに考えてんだか」
「・・・サクラちゃんが・・・?」
「ああ。サクラが偶然、夜にサスケと会ったんだとよ。カバン背負ってたし、額当てもしてなかったから気になって声掛けたんだと」
「アイツ、サクラちゃんに言ってなかったのか・・・」
「みたいだな」
シカマルが足を止めた。
ナルトもそれに倣う。
着いたのは、「あん」と描かれた門だった。
「遅い。お前、自分から呼んでおいてオレたちを待たせるとはどういうことだ」
「え・・・ネジ?」
「悪いな。コイツを起こしてたんだよ」
そこにいたのは、日向ネジ、犬塚キバ、秋道チョウジの三人だった。
「これからはオレが指揮をとる。勝手な行動はするな」
シカマルのいつもとは違う緊張感のある声に、全員が頷いた。
シカマルが一通り作戦を説明し終えて、出発する直前、サクラが現れた。
「ねえ・・・ナルト。お願い。私の一生のお願い・・・」
「サスケくんを連れ戻して・・・」
「あー・・・サクラちゃん、泣いてるよ。あ、スイレン。ついて行って」
『バレない方がいい?』
「できれば」
『了解』
ナルトたちが出発して、見えなくなるギリギリのところで、私たちは移動し始めた。
(ここから先は、私もどうなるかわからない。万が一ってこともあるし・・・)
見届けないと気が済まない。
(本格的に大蛇丸が動き出したな・・・)
そう思っていると、スイレンが止まった。
『ここら辺、トラップばかりだな。危ないなあ』
「・・・踏まないでね?」
『大丈夫だって』
「向こうも必死だからね・・・何がなんでもサスケを大蛇丸のもとへ届けなきゃいけないし」
(後々、君麻呂が出てくるしね。彼は見ておきたいなあ)
あのカグヤ一族だ。
興味が出るのは仕方のないことだ。