第27章 「オレにとって」
「誰にも言うつもりはなかったが・・・やっぱりお前には言うことにした」
「?」
「オレも・・・お前と同じだからな」
「えっ」と声をあげたナルトだったが、次の言葉で固まった。
「オレは里を抜けることにした。だから、明日の夜にはもういない」
「・・・ええええええ!?」
「うるせーよ、バカ!!」
「いってェな、いちいち殴んな!!いや、は?おま、それ本気か?」
「ああ」
サスケの目には一寸の迷いもなかった。
ジンジンと痛む頭を押さえながら、ナルトは察する。
これは、ジョークじゃない。
「・・・なんで、また急に」
「ちょっとな。オレは強くならないといけないからな」
「それなら、里抜けなくてもできるってばよ」
「それじゃあダメなんだ。アイツを殺せるだけの力が必要だ」
「・・・アイツって?」
「お前には関係のないことだ」
「はあ!?ここまできてそれかよ!!」
「言えよ!」とナルトが言う前に、夜風がナルトの頬を撫でて去っていく。
夜は冷えるけど、風は気持ちいい。
夜風とともに興奮した気持ちも持っていかれたのか、ナルトは自分が冷静になっていくのがわかった。
「・・・それって、お前がやらなきゃいけないことなのか?」
「ああ」
「なんで?」
「オレしかいないからだ」
「・・・里なんか抜けてどこに行くんだってばよ」
「大蛇丸だ。勧誘されてな。アイツは強い。だから話に乗った」
「大蛇丸!?あんなヤツのとこに行くのか?オレ、綱手のばあちゃんを探しに行ったときに会ったけど、すっげー悪かったってばよ。あ、あと、カブトさんっていただろ?あの人、大蛇丸の仲間だった」
「あのメガネ、何か裏があると思っていたが・・・そういうことだったのか」
ナルトの思わぬ報告に、サスケがチッと舌打ちをして返す。
話が脱線しかけていたのをナルトが戻す。
「気をつけろよ」
「当たり前だ。自分の身は自分で守る」
サスケはきっぱりと言い放つ。
ナルトは大蛇丸の顔を頭に思い浮かべてしまい不安になったが、サスケなら大丈夫か、と思い直した。
「なあ」
「?」
「里を抜けるということは、オレは犯罪者になるわけだ。わかるか?」
「ああ」
「それでも・・・お前はオレのことを『親友』だと・・・ライバルだと言えるのか?」