第27章 「オレにとって」
―――翌日。
「おい、サスケ」
「・・・なんだ」
「『なんだ』じゃないでしょ。もう解散だよ?」
カカシの言葉にハッと我に返る。
今日は第七班での任務だった。
ナルトやサクラが自分を心配するような目で見つめていることに気がつくと、「・・・考えごとしてた」と言った。
―――来るのか?来ねーのか?
昨夜の招かれざる来客のせいで、サスケは一睡もできなかった。
音の四人衆。
「左近」「鬼童丸」「次郎坊」「多由也」とそれぞれ名乗った男女四人は、寝付けなくて外に出ていたサスケの前に現れた。
正直に言って、自分よりもはるかに強かった四人は、自分に大蛇丸のところへ来いと言ってきた。
―――何かを得るには、何かを捨てなければならない。
―――うちはイタチのことを・・・
―――目的を忘れるな。
サスケが返した答えはイエスだった。
復讐はする。必ず。
―――明日の夜、迎えに行く。
四人はそう言って消えた。
「おい、サスケ!サクラちゃんもカカシ先生も帰っちまったぞ!お前、帰らねーのか?」
「・・・おい、ナルト。このあとちょっと、付き合え」
「は!?」
「ラーメン奢ってやる」
そう付け足すとナルトは「マジで!?」と大きな声をあげ、先に歩き出したサスケを追いかけた。
「・・・まさか、お前にラーメン奢ってもらう日がくるなんて思ってもみなかったってばよ」
「・・・ああ。オレもお前にラーメンを奢る日が来るとは思ってもなかった」
二人が来たのは、一楽だった。
ナルトはいつものように来ているのだが、サスケは一回しか来たことがない。
クロと行った、あの一回しか。
「はい、お待ち!」と目の前にドン!とラーメンが置かれる。
「いっただきまーす!」と元気よくナルトはラーメンを食べ始める。
それを横目で見ながら「汁、ちらすなよ」と言うと、「ちらさねーよ!バカ!」と返された。
「・・・なあ、ナルト」
「ん?なんだってばよ」
「・・・いや、なんでもない」
不思議そうに首をかしげるナルトが視界の端に映っていたが、気づかないフリをしてラーメンを啜った。