第27章 「オレにとって」

ナルトたちが綱手を捜しているあいだ、サスケとサクラはどうしているかなと思い、木ノ葉に足を運んでみたのだが―――。


「・・・まさか、サスケに修行付き合えって言われるとは思わなかったよ」

「だろうな。オレもお前に頼む気なんてなかったしな。仕方ないだろ、カカシの野郎が見当たらないんだよ」

「いや、でも嬉しいよ。サスケが私をデートに誘ってくれるだなんて」

「違ェよ！！」


サスケの蹴りをひょいとかわすと、チッと舌打ちが聞こえた。


「ていうかー、体術とかなら“ガイ先生”に頼んだ方がいいんじゃない？」

「バカか、お前。リーがあんな状態なのに、頼めるわけねーだろ。それに、他班のヤツに頼めるか」

「ああ、リー・・・ロック・リーさんね。たしか、今は入院してるんだっけ」

「うん・・・」


そう答えたサクラの声が暗くて、地面を蹴り、サスケの頭上を通ると、サクラのもとへ駆け寄る。


「どうしたの？」


「おいクロ！」と最初は声を荒げていたサスケも、サクラの表情を見ると、近くに来た。


「サクラ？」

「・・・この前、いのと話してたんだけど・・・そのとき、聞いちゃって」

「・・・何をだ？」

「・・・リーさん、忍としてやっていけない体になっちゃったって」


横にいるサスケが息を呑んだ。

そして、「そうか」と小さく呟いたあと空を見上げた。

なんとなく重苦しい空気になったのを察してか、スイレンが『え、なに？』というような表情をしていた。


「・・・うーん、大丈夫だと思うよ。そのために今ナルトくんが綱手さまを探してるんでしょ？」

「そうだけど・・・もし、万が一でも」

「そんなこと言ったって、私たちができることは何もないよ。ただ、ナルトくんが無事綱手さまを見つけて連れて帰ってくれることを祈るしかない」

「・・・クロ、なんだか冷たいよ」


サクラはそう言って泣きそうな顔で私を見つめた。


（・・・冷たい、ね）


「そりゃあ私はサクラちゃんより、いろんなこと経験してきたからね。もちろん、私も祈ってるよ？でもさ・・・じゃあ、サクラちゃんは何ができるの？」

「・・・っ」

「できないでしょ？」


サスケが言いすぎだとでも言いたげな目で私を見ていた。