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うちはに転生しました。

第26章 つじつま合わせ












「―――それじゃあ、イタチ兄さん。いってきます」

「ああ、気をつけてな。何かあったら鬼鮫に守ってもらえ」

「大丈夫だよ。スイレンもいるし、すく帰ってくるつもりだから」


出かけるときにはイタチは心配そうに見送ってくれた。


「―――で、ハルさん。彼の居場所はわかるんですか?」

「いえ、わかりません。これから探します」

「そうですか・・・って、え?」

「この子に探してもらいます。できる?スイレン」

『うーん、ちょっと待ってね』


スイレンはそう言って目を閉じた。

鬼鮫が「まさか、ノープランですか?」と聞いてきたので、私はニッコリ笑って頷いた。


「ハルさん・・・私が言うのもなんですが、見つからないと思いますよ。彼らも隠れていると思いますし」

『見つけた!』

「あ、見つけたって言ってます。じゃあ、スイレン、案内してもらっていい?」

『うん、じゃあ行くよ!』

「・・・本当ですか?」

「はい。スイレンに不可能はないんです。それじゃ、ついてきてくださいね」


鬼鮫は苦笑いだったが、スイレンが移動し始めるとついてきた。









―――一時間後。

私たちは、遠く離れた人のいる気配のない森へと足を踏み入れていた。


「うわ、不気味・・・いかにも幽霊が出そうな感じね。ねえスイレン、ここにいるの?」

『うん、そのはず』

「人も近寄らないだろうし・・・隠れるには最適な場所かもしれませんね」


そう言って鬼鮫は臆することなく、さらに進む。


「ちょっ・・・鬼鮫さん、待ってください!」

「行きますよ、ハルさん」

「・・・なんか楽しそうですね・・・」


スイレンの鼻を頼りにどんどん進んでいく。

そして、スイレンの足が止まった。


「ん?どうしたの?」

『・・・いる』


見つけたらしい。

だが、見つけたのは私たちだけではないようだった。


『向こうも僕らに気づいてると思う。わずかだけど殺気を感じる。僕たちを警戒してるみたい』

「そっか・・・ま、普通そうだね」


どうするか考えていると、鬼鮫が背中の鮫肌を手に進んでいく。


「先に私が行くので、あとから来てくださいね」

「えっ」


そして、数歩進んだところでいきなり鬼鮫が鮫肌を構えた。







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