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うちはに転生しました。

第25章 敵として








自来也が戻ってきたのは、私が息を整え終え、本物のナルトのところに行こうかと考えていた頃だった。


「クロ、大丈夫か?」

「はい」

「・・・お前、どうしてここに?」

「たまたまです。私もここに用があって・・・ナルトくんとバッタリ会って」

「お前、」

「―――ってことにしといてくださいよ」


そう言うと、自来也は目を瞬かせて大きくため息をついた。


「ね、だめですか?」

「お前、何考えとんじゃ?今どきの子は分からんのう・・・」

「私は何も変なことは考えていません。じゃあ、自来也さま、ナルトくんを迎えに行きましょう」


自来也は何か考え込んだあと、私の顔をじっと見つめて勝手に歩き出した私のあとを追った。



















「やっほ、ナルトくん。無事でよかったよー」


そう言って、ナルトの目の前にクロは現れた。

いつも通りの軽い調子でケラケラと笑いながら近づいてくるクロを見て、ナルトは絶句した。


「いやあ、ごめんね?自来也さまこっちで見つけちゃったわ」


ナルトがあの旅館を出るとき、私はこう言ってナルトを連れ出した。

「自来也さまを急ぎの用で探してるの。ナルトくん、いっしょに探してよ」―――と。


「はあ!?お前、結局自分で見つけれんじゃねーか!」

「ごっめーん。でも、一件落着したからこれでよし・・・ん?あ、れ・・・」


私は自分の分身を消すと、その後ろにいた人物を見て、目をまたたかせた。


「―――サスケ・・・」

「クロ?お前・・・何でここに?」

「いや、ちょっと用事があって来ただけ。・・・サスケは?」

「・・・オレは・・・」


そう言ってサスケは黙った。

そして、厳しい顔をすると自来也と私に尋ねた。


「・・・人を探している。男だ。―――“うちはイタチ”という男を・・・知らないか」


(・・・復讐、ねえ・・・)


自来也が何か言うよりも先に私が答えた。


「ごめん、わかんないなあ」

「・・・そうか」


そう言うとサスケは舌打ちをし、唇を噛みしめ、悔しそうな表情で「クソ・・・」と呟いた。


「あともう少しだったってのに・・・」


その表情ときつく握りしめた拳は、私の胸をキリキリと痛いほど締め付けた。


(・・・ホント、会わせなくてよかったのかもしれない)



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