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うちはに転生しました。

第24章 中忍試験 3








――――次の日。


木ノ葉の里では、三代目火影―――猿飛ヒルゼンの追悼式が行われていた。

里は、暗く悲しい雰囲気に包まれていた。

小さな子連れの親子が話している。


「今日はなんでみんな悲しい顔してるの?」

「・・・今日はね、火影さまの・・・」


その子の母親は、それきり口をつぐんで黙ってしまった。


―――三代目火影は、ある一人の少女に抱きとめられてその生涯を終えた。

黒い服に身を包んだ人たちのすすり泣く声がそこら中に溢れている。

ある少女は、そこにはおらず、少し離れた建物の上か見おろしていた。


「ねえ、スイレン」

『ん?』

「これって・・・本当に良かったのかな」


静かに呟いて少女が目を閉じる。

その表情は、下で泣いている人たちのものと何一つ変わらない。


『・・・さあね。こればっかりは、僕にもわからないよ』

「うん・・・そうだね」

『でも、』


そこで言葉をとめる。


「でも?」

『キミが自分を責めることはないよ。大丈夫、あの爺さんだって最後に言ってたでしょ・・・―――“ありがとな”って』


それは三代目の最期の言葉だった。

少女の頬に手を伸ばし、掠れた声で言った。

そしてそれはきっと、少女しか知らない。


「私・・・悲しいと思ってる反面、これでよかったんだって思ってる気持ちもどこかにあるの」

『・・・』

「最低だよね。でも・・・原作と何も変わりはしないわ。“こうなることは運命だった”・・・そう言ってしまえばそこで終わりだけど・・・」

『でも、キミのなかに大きなわだかまりを残した』


それは一生癒えることのない心の傷。


『助けようと思えばできたのに・・・見殺しにしたという事実がキミの心を縛ってる』


あの時、少女は三代目に自分の自己修復を施さなかった。

少女の目には、三代目が「もういい」と言っているようにも映ったからだった。


『それでも、罪の意識から逃げないキミの・・・そういうところを僕は、好ましく思ってるよ』


スイレンは、今の少女の心は手に取るように分かる。

なぜなら――――。


(僕の不完全な心と、キミの心は同じだ。・・・まあ、言うときは来ないだろうけど)


スイレンはその言葉を口にすることなく、ただ少女の横顔を見つめて思った。


(・・・ニンゲンって難しいな)
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