第24章 中忍試験 3
―――・・・どれくらい、待っただろうか。
ついに、三代目の力が尽きたようだった。
三代目の体がグラリと崩れ落ちる。
その瞬間、私は動いた。
結界をすり抜け、三代目が倒れる前に、三代目の体を抱き止める。
だが、体重に耐えきれず、膝をつく。
「・・・三代目、さま・・・」
震える声で呼びかけると、小さな反応が返ってきた。
「・・・お前・・・」
何かを言おうと、私の頬に手を伸ばした。
だが、それは言葉になる前に―――。
「! 三代目様・・・?」
頬にあった手が、力を失い、離れていく。
―――思わず、息を呑んだ。
「・・・やっと逝ったわね、シジイ」
その声に顔を上げる。
「それにしても、アナタ・・・どうやって結界を通ったの?」
「・・・」
「興味深いわ・・・今すぐにでも調べたいけど、生憎この手だからね・・・」
大蛇丸は忌々しげに、だが、おもしろいものを見つけたかのように口角を上げていた。
「・・・その腕じゃあ私を殺せないでしょ・・・なら、はやくどこか行って」
「へえ・・・ワタシを殺さないんだ?」
「今はそんなことに興味がない。・・・でも、今すぐ行かなきゃ・・・―――殺すよ」
「フフ・・・アナタが殺してくれるの?」
「バカね・・・そこの子にしてもらうわ」
睨むわけでもなく、ただ大蛇丸を見つめる。
目があっても、お互い逸らそうとはしなかった。
そして、ふいに大蛇丸がフッと小さく笑って空を仰いだ。
「・・・ここまでね。次、会えるのを楽しみにしているわ」
そう言ったと同時に、結界が解かれる。
「!」
いつの間にか大蛇丸と結界を張っていた四人はそこから消えていた。