第24章 中忍試験 3
―――おまけ・はたけカカシの考察―――
三代目の追悼式があった夜、カカシはある後輩を呼び出していた。
身に着けているものや顔に面をしていることから、その人物が暗部の人間だということが分かる。
「なんですか、こんなところにボクを呼び出して。って、どうしたんですか、そんな顔して・・・似合わないですね」
「・・・まーね。いろいろあんのよ、オレにも」
「そうですか。まあ、いいですけど・・・ボクも暇じゃないんでね。さっさと用件を話してください」
「いやあ、悪いね―――テンゾウ」
ボーッとした目で空を仰ぐカカシに、呼び出された人物―――テンゾウがその姿を目に映した。
「どうしたんです?・・・らしくない。まあ、先輩と三代目は結構親しかったみたいだから、落ち込むのもわかりますけど」
「いや、別にそういうことじゃないのよ。ああ、いや・・・ちょっとお前に頼みがあってね。ちょっとある子を調べてほしくて」
「調べる?・・・子ども、ですか?」
不審に思ったのか、テンゾウの声に怪訝さが含まれていた。
「ああ。オレ個人の依頼だ。オレじゃ限界があってね。暗部のお前なら、オレよりは調べられるだろうと思って」
「はあ」
「ただし、このことは他言無用で頼む」
「わかりました。それで・・・誰ですか?」
「“クロ”という女の子だ。年齢は・・・どうだったかな。ナルトたちよりも下だ」
「は?本当に小さいですね」
「まあね。ほら、お前も見たんじゃないのか、三代目の最期をみた・・・」
「ああ、例の。根の連中も目をつけたらしいですよ。それで捜してるみたいです」
「結界を通ったからか?」
「ええ。おそらく・・・。ま、分かりました。調べてみます」
根―――つまり、志村ダンゾウに目をつけられたクロだったが、その後、結局一度も捕まることはなかった。
テンゾウはカカシに了承の意を示してその場から消えた。
カカシはその現場を見ていないが聞いた話によると、クロは結界を通ったらしい。
普通ならありえないこの出来事は、あっという間に里に広まった。
カカシは、以前にも増してクロのことが分からなくなっていく。
予想以上の危険人物なのか、それとも、素性の分からない味方なのか―――。
『中忍試験 3』
“猿飛ヒルゼンの罪”