第24章 中忍試験 3
―――木ノ葉からアジトへ戻ったのは、空が茜色に染まり始めたころだった。
「ただいま戻りました」
「おや、ハルさん。おかえりなさい。今日はどこへ行っていたんです?」
「秘密です。あ、それより鬼鮫さんに聞きたいことがあるんですけど・・・」
「聞きたいこと?いいですが・・・それより先に、手を洗ってきては?」
鬼鮫のお母さん的な発言に軽く返事をして、洗面所に向かう。
手を洗って戻ってくると、ソファにイタチが座っていた。
その向かいに鬼鮫が座っている。
「イタチ兄さん!」
「ああ、ハルか。おかえり」
促されるまま、イタチの横に座る。
「それで?聞きたいこととは?」
「あ、別に鬼鮫さんじゃなくてもいいんです。男の人だったら誰でも」
「ほう・・・何ですか?」
いつの間にか、ほかのメンバーも集まってきていた。
まあいっか、と思い、質問を口にする。
「―――男の人は、みんな女湯をのぞきするんですか?」
それを聞いた瞬間、その場にいた全員が黙った。
「・・・あの?」
「・・・ハル。それは誰の入れ知恵だ?」
「え・・・いや、今日女湯のぞいてる人見て・・・みんなそうなのかなって」
おもしろ半分で聞いてみただけだったが、イタチは返答に困っているようだった。
すると、デイダラが大きな声で言った。
「男はみんなのぞくぞ?うん。オイラはしないけど、旦那なんていっつも・・・」
「おいテメェ、オレが変態みたいな言い方してんじゃねえ」
「旦那、見た目は若いからな・・・うん」
そんな会話が目の前で繰り広げられている。
それを見ていると、イタチが真顔で言った。
「・・・ハル。男はな、女の人がいなきゃ生きていけないんだ」
「ふうん」
「おい、イタチ!お前童貞か?そうなのか!?」
「飛段のバカは直らないんですね・・・」
飛段がここぞとばかりにイタチに聞く。
私は質問のないようにびっくりしたものの、内容が分かるのでプッと吹き出してしまう。
(私は結構生きてるからね・・・)
「あ、コイツ笑ったぞ!」
「えっ?いや、その」
「なんだー?ハル、お前、童貞の意味分かんのか?」
「おい、飛段。そろそろやめておけ。イタチの顔が見えないのか」
・・・結局、そのあとすぐにお開きとなった。